ゲンゴロウとよく間違えられる「ガムシ」も、国の準絶滅危惧種に指定され数を減らしています。ゲンゴロウと同じく4cm弱になる大型種で、水草を食べる大人しい水生昆虫です。県によっては絶滅危惧種に指定されているので、その状況について整理します。
水草を食べる大型水生昆虫「ガムシ」
ガムシは場所によっては多産しますが、全国的には数を減らしています。水草を食べる草食性ですが、繁殖期は栄養補給のため死骸なども食べることが知られています。幼虫は肉食性で、モノアラガイなど巻貝を好みます。
ガムシの成虫はマナティのような顔を含め愛嬌ありますが、結構大食漢で、1-2匹はともかく沢山飼おうとすると水換えや餌の手配が大変です。
ガムシとゲンゴロウの見分け方
ゲンゴロウとの見分け方として、ガムシは脚を左右交互に動かして泳ぐ話がありますが、写真から判断するポイントをいくつか示します。一番簡単なのは、腹側に飛び出した牙・トゲの有無です。「牙虫」が名前の由来になったほどガムシを代表する特徴であり、船のキールのように泳ぎを安定させる機能があると言われています。
また、一般に背中側と腹側の膨らみが同じくらいのゲンゴロウと比べ、ガムシは平らな腹に膨らんだ背中をしています。
不鮮明な写真でも見分けるポイントとして、ガムシには背中に大きな三角形があります。専門用語で小楯板(しょうじゅんばん)と呼ばれる部位です。
ガムシは複数県で絶滅危惧種と評価されている
絶滅のおそれがある種を評価するレッドリストは、国(環境省)や各都道府県など、複数主体から発行されています。
まず、国のレッドリストではガムシは準絶滅危惧種と評価されています。準絶滅危惧種とは、現在は絶滅の危険度は小さいが、今後の状況によっては絶滅危惧種になる可能性がある種のことです。
一方都道府県レベルでは、東京都で絶滅判定のほか、10県以上で絶滅危惧種判定である絶滅危惧II類以上と評価されています。
目で書き写したので、多少間違いあるかもしれません。
RDBカテゴリ名 | 都道府県 |
---|---|
絶滅 | 東京都 |
絶滅危惧I類 | 群馬県・埼玉県・神奈川県・福岡県・沖縄県 |
絶滅危惧II類 | 山形県・茨城県・山梨県・愛知県・三重県・香川県・愛媛県・長崎県 |
準絶滅危惧種 | 栃木県・石川県・福井県・長野県・静岡県・大阪府・和歌山県・鹿児島県 |