青山のタワマン「いい感じのビオトープ作ったよ!」→ザリガニ放されて壊滅の顛末

青山のザリガニ対策看板

青山通りの都営住宅立ち並ぶあたりに、タワマンと併設された広大な森があります。小川が涼やかでいい雰囲気だったのですが、が放されて等の生き物は壊滅してしまいました。どうしてこうなった…。ということで現地を見てきました。

クラス青山と公開空地の概要

場所は別に秘密ではないので書いてしまいますが、北青山の「ののあおやま民活棟」です。都営住宅跡地を再開発したもので、25階建てのタワーが核となっています。高級賃貸「クラス青山」にサービス付き介護施設、店舗・地域交流施設などの複合施設ですね。

本件の場合、約3,500m2という大規模緑地が特徴ですが、都市計画法の「再開発等促進区」の例外で、公共施設・有効空地を設けると建物の規制緩和を受けられるためでしょう。

緑地空間全体のデザイン監修に株式会社ランドスケープ・プラスの平賀達也氏、樹種選定のアドバイザリーに東京農業大学客員教授の濱野周泰氏の協力を得ながら、明治神宮など計画地周辺地域の潜在植生や生態系に基づいた外構計画を行い、多様な生物が持続的に生息できる豊かな緑地空間を創出しています。

ビオトープにザリガニが放されて壊滅と話題に

現地のオープンは2020年5月。たまたま2022年10月にいい感じに水草がそだったビオトープを見ています。その後2024年には現地にザリガニが放されて壊滅したという立て看板が出るようになり、2025年5月に現地見てきた所、以下の状況でした。

周りの森はいい感じに育っているだけに、ここだけ異様な感じがします。冬にかいぼりで干していたそうなので、今はその後生き残りがいるか確認している段階のようですね。

泥に覆われ沈黙したビオトープ。パイプはザリガニ駆除用のトラップ

なお、泥に覆われた底面を見て管理が悪い元々の水質に問題が〜などのコメントが寄せられているので補足します。アメリカザリガニは、水草を食べたり、の隠れ家をなくすために切る環境改変能力を持っています。

アメリカザリガニが入ると、こういう濁った色の水になることがよくあって、水生昆虫なども激減するので「ザリ色の水」などと呼ばれて嫌われています。ため池であれば水草のあるなしは衛星写真からも判別できたりしますので、アメリカザリガニには衛星で見えるほどの環境改変能力があると言ってもよいでしょう。

メダカやドジョウ・の話は微妙で、その辺で採ってきたり買ってきて入れると都内ではない系統のメダカや大陸系ドジョウ・ヌマエビが入ったりするのではと思いますが、その辺配慮されているかしらないので、軽く触れる程度にしておきます。

現地立て看板
木々が育って木陰を創出している
小川沿いの小道。だいぶ自然な感じに育っている

アメリカザリガニは条件付特定外来生物で野外放出は違法

誰でも立ち入れるビオトープが、アメリカザリガニ投入で壊滅、駆除したり再整備する予算もなくそのまま放置という事態は、あるあるではあります。閉鎖環境のようですから剤入れる方法もありますが、いずれにしてもまた投入されるかもしれないのに毎回リセットするのかという議論になるでしょう。

見出しで結論書いてしまいましたが、アメリカザリガニは生態系に多大な被害を及ぼす侵略的外来生物として、法規制で野外放出が禁止されています。お子さんが持ち帰ってきて飼いきれなくなったときは、親御さんが責任をもって殺処分するなど、野外に迷惑をかけないようにしてください。

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