検索上位の記事でコオイムシの飼育には生き餌が必須!と書かれているものがありますが、これは誤りです。冷凍アカミミズやコオロギなど、口元で動かせば普通に食べます。コオイムシ幼虫・成虫の餌について。
コオイムシの生態
コオイムシ(Appasus japonicus)は、カメムシ目コオイムシ科に属する水生昆虫です。オスが卵を背負って保護する習性で有名。体長2cm前後で、水草が豊富な止水域に生息し、鎌状の前脚で小動物を捕らえます。
姿はタガメに似ていますが、タガメは体長5-7cmと数倍大きいので区別は容易。
卵を背負う姿でお馴染みですが、オスは春から夏にかけて3-4回卵を背負うので、野生下でも飼育下でもよく見られる光景です。コオイムシの成虫・幼虫の飼育・繁殖については以下の記事で詳しく書いています。
コオイムシ飼育に用いる餌の種類
コオイムシは生き餌が必須と書いてある記事を見かけましたが、ああいう記事は飼ったことがない人が書いています。コオイムシは生き餌が必須ではなく、冷凍アカミミズ・コオロギなどの小昆虫など、ピンセットで口元に持っていって動かせば捕らえます。以下に、いくつか例を示します。
モノアラガイを餌にするコオイムシ
野生のコオイムシは、成虫・幼虫ともにモノアラガイ・サカマキガイを好物とし、抱え込んで食べます。水槽に勝手にモノアラガイが湧いていれば、ラッキーですね。
一方、モノアラガイを野外から大量に集めるのは困難なので、その際はレッドラムズホーンなど小型の巻き貝で代用可能です。
入手容易な冷凍アカミミズをコオイムシ幼虫の餌に
2020年の飼育では、冷凍アカミミズだけでコオイムシを成虫にできることがわかっています。アクアリウムでは有名なキョーリンなどから冷凍アカミミズが出ていて、入手も容易です。成虫も食べますが、もっと大きな餌が適しています。
TG-6で接写したアカミミズを食べるコオイムシ幼虫。1匹ずつ挿し餌しています。
飼育している数によりますが、1卵塊に冷凍アカミミズ1個のキューブは多すぎて半分以上余ります。飼育規模大きくすると数が増えすぎますし悩ましい所です。ほかにも飼育している生き物がいると、使い回せますね。
冷凍アカミミズは、少し水に浸せば5-10分で解凍できます。
冷凍コオロギもコオイムシの餌に便利
大きくなってきたコオイムシ幼虫や、成虫にはイエコが便利です。イエコとはヨーロッパイエコオロギの通称で、爬虫類等の餌として、ペットショップなどで流通しています。サイズが複数あり、入手容易な選択肢です。
コオロギは生き餌で与える方法と冷凍してピンセットで与える方法があります。なぜ冷凍してしまうかというと、言い方は悪いですがコオイムシのためにイエコの飼育環境を作って維持するのは手間だからです。
コオイムシの餌に関するまとめ
以上、見てきたように、コオイムシの餌は生き餌必須ではありません。野生下ではモノアラガイなどの小さな巻き貝、飼育下では冷凍アカミミズやコオロギで飼育可能です。