ゲンゴロウは2023年から販売禁止に

ナミゲンゴロウの羽化

が2023年から販売禁止になります。特定第二種で保護種になるためです。そのほか、ナミゲンゴロウ、ヒメフチゲンゴロウ、エゾゲンゲンゴロウモドキ、マルガタ、モンジ、オキスジ、コバンムシ等が販売禁止対象に追加されます。

ゲンゴロウは2023年から販売禁止される

2023年から、ナミゲンゴロウも特定第二種の保護対象となり、販売目的の捕獲・売買等が禁止されます。

絶滅のおそれがある種のリスト「環境省レッドリスト2019(レッドデータブック)」でナミゲンゴロウは絶滅危惧II類(VU)=「絶滅の危険が増大している種」と判定され、全国的に数を減らしています。たとえば、東京・神奈川ではゲンゴロウ・とも絶滅したとされています。

一方、ゲンゴロウの仲間には「種の保存法」の「国内希少野生動植物種」に指定され、捕獲・譲渡等が禁止されている種がいます。これらの種はかなり数が減っていて、探さないと見つからないようなゲンゴロウですが、生息県ではほかの水生昆虫に混じってネットインしてしまう場合があります。「捕獲・採集」自体禁止なのでご注意ください。

罰則は個人なら5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人なら1億円以下の罰金、です。

なお、ゲンゴロウを飼ってみたい、という方向けに販売や値段に関する現状をまとめておきました。

条例でゲンゴロウ採集を禁止している自治体に注意

全パターンを把握していないのですが、自治体が個別に希少種指定を行い、採集が禁止されている場合もあるので、該当するかどうか事前に調査しましょう。

群馬県では2015年4月に施行された「群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例」においてゲンゴロウが指定され、「希少野生動植物の捕獲・採取等の規制」が行われています。違反すると1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

長崎県では、全域でゲンゴロウは採集禁止です。

また、南西諸島に生息するヒメフチトリゲンゴロウも沖縄県竹富町、奄美大島、鹿児島県徳之島で採集が禁止されています。

なお鳥取県では、コガタノゲンゴロウが県の「特定希少野生動植物」に指定され捕獲禁止でしたが、鳥取県を含む西日本各地で個体増・生息地拡大したことから、2022年7月に指定解除されています。

【2020年から】タガメは販売禁止に!趣味目的の採集・はOK

2020年2月20日から、ゲンゴロウと並ぶ水生昆虫の代表種タガメが「種の保存法」の国内希少野生動植物種「特定第二種」に指定され、販売・頒布目的の捕獲・譲り渡し等が禁止されました。販売・頒布目的でない趣味・研究目的の捕獲・飼育はOKです。

甲羅干しするタガメ
甲羅干しするタガメ

【将来】ゲンゴロウが販売禁止になる可能性はあるか

全国的に大型ゲンゴロウが減少している現状を踏まえれば、将来ナミゲンゴロウが販売禁止になる可能性は、あります。

そもそも論として、2013年の「種の保存法」改正時に、絶滅危惧種が3500に対して保護種が少なすぎるのではという議論がありました。その後、2017年の「種の保存法」改正時の付帯決議で2030年までに700種を指定ということで、新設された特定第二種含め毎年30種を目安に指定、という方針が既に出ています。

環境省は、レッドリスト記載種を元に指定種を増やしていくと思われますが、次に問題となるのは国内希少野生動植物種・特定第二種いずれの指定なのかです。

国内希少野生動植物種に指定されると、捕獲・採取、譲り渡しが原則禁止されます。これはかなり厳しい規制で、調査・研究目的でも許可が必要と結果的に現状把握や保護が進まない課題がありました。そのため、販売・頒布目的の捕獲・譲渡を禁止し乱獲を防ぐ「特定第二種」制度が生まれ、その第一号が2020年のタガメなどだった、というわけです。

特定第二種に指定された場合、金銭または金銭的価値のある物と交換の譲渡は不可、となります。その場合入手方法は、自分で採集するか、面識のある個人から無償で譲ってもらうかの2択です。

2023年からゲンゴロウが販売禁止になったことを受けて

2020年当時の「全国的に大型ゲンゴロウが減少している現状を踏まえれば、将来ナミゲンゴロウが販売禁止になる可能性は、あります。」という予測が、現実のものとなりました。

コガタノゲンゴロウを除く大型種は各地で減少しており、いつ特定第二種指定になってもおかしくない状況だったと言えるでしょう。記録として、上段はそのまま残しておきます。

ゲンゴロウの販売禁止に関するFAQ

Q:ゲンゴロウは販売禁止された?

いわゆるゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ)は、2023年から特定第二種の保護下になり、販売禁止されます。ヒメフチゲンゴロウ、エゾゲンゲンゴロウモドキ、マルガタ、モンジ、オキスジ、コバンムシ等も同時指定されます。

Q:ゲンゴロウで規制されている種はあるか?

以下の種は、「種の保存法」の「国内希少野生動植物種」に指定され、捕獲・採集その他が禁止されています。罰則があり逮捕事例もあるので注意しましょう。
・ヤシャゲンゴロウ
・マルコガタノゲンゴロウ
・フチトリゲンゴロウ
・シャープゲンゴロウモドキ
・マダラシマゲンゴロウ
その他、採集を禁じている自治体もあります。

Q:特定第二種に指定されると何が禁止される?

種の保存法で新設された「特定第二種」では、販売・頒布目的の捕獲・譲り渡し等が禁止されます。販売・頒布目的でない趣味・研究目的の捕獲・飼育はOKです。

1 COMMENT

すすき

ナミゲンゴロウ飼ってる。
普通に田んぼに5匹以上いた*\0/*

返信する

コメントはこちらから(個人を特定できる部分は削除します)

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です