シマゲンゴロウは特徴的な模様を持つ人気種。近年激減した県も多いようです。生息環境は浅く開放的な水面。幼虫はオタマジャクシを好むものの、冷凍アカムシを餌に成虫まで飼育可能。
特徴的な模様をもつ人気種「シマゲンゴロウ」
シマゲンゴロウの学名はHydaticus bowringii。体長は13-14mm。前胸背は黄褐色。腹側は赤褐色。上翅は光沢ある黒をベースに中央に一対の黄褐色の斑紋、左右に2本ずつ縦縞を持ちます。一目でシマゲンゴロウとわかる個性的な種です。




ヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウが普通種とするならば、それよりはレア。元々全国に分布する種ではないが、北陸や九州上半分など、絶滅危惧I類になっている都道府県も多いことが目をひきます。
国の絶滅危惧カテゴリーでは準絶滅危惧種だが、各都道府県の状況を見ると、実質的には絶滅危惧II類に近いと言えるでしょう。


シマゲンゴロウの生息環境
シマゲンゴロウ幼虫はオタマジャクシを好むことや、成虫が上陸越冬する習性で知られます。これらが示しているのは、豊富なオタマジャクシ、上陸できるコンクリでない護岸、成虫が越冬できる周辺の林等、シマゲンゴロウの生活環を構成する周辺要素が欠けると、いなくなってしまうだろうということです。
当然ながら、ほかの水生昆虫同様、開発や耕作放棄、農薬やアメザリなどの外来種侵入なども減少要因となります。急速に進む中間山地の耕作放棄が、残っていたシマゲンゴロウ産地の減少に影響していることは確かでしょう。


シマゲンゴロウ成虫の餌や飼育方法
シマゲンゴロウ成虫の飼育方法は、その他のゲンゴロウ成虫の飼育と同じでOK。餌はコオロギや冷凍アカムシ、肉食魚用のペレットなど、特に好き嫌いはないようです。
ただし上陸越冬するので、11月頃には湿らせた水苔を入れたタッパーに入れて冷暗所に保管するとよいでしょう。水中越冬でもいけるのではと思いますが、試していません。田んぼの周辺での生活に適応して、水がない時期は上陸する道を選んだのかもしれません。
シマゲンゴロウ幼虫の飼育
シマゲンゴロウ幼虫は、中央にはっきりした白線を持ちます。また大顎の湾曲が強く、全体にがっちりした体格の印象です。
オタマジャクシを好むことから、関東ではオタマジャクシが多い6月頃に繁殖を終え、7月からは新成虫が見られます。


飼育下では「こだわりあかむし」のみで成虫にできます。
シマゲンゴロウ幼虫の成長過程
餌を食べなくなり、上半身の内蔵が白く空になると、上陸が近い。水面近くで暴れたり、水面から頭を出したりする上陸仕草を見せるようになったら、上陸させてもよい。
シマゲンゴロウ幼虫は、土の表面に蛹室を作るので、土の深さは必要ない。100均の一番小さなタッパーにピートモスを入れる。幼虫は一部が容器の蓋に付くような蛹室を作るので、蛹室の場所はわかりやすい。後はたまにチェックして、新成虫が現れるのを待つ。
4月中旬、鹿児島より
採集されたシマゲンゴロウ2ペアを入手しました。現在飼育中です。水温も22度今後上昇していくとおもいます。餌は冷凍アカムシ、生エビで冷凍コオロギも追加しようと思っています。日中の交尾はあまり確認できません。産卵してもいい頃だと思いますが、あまりその気配をかんじません。ホテイアオイとヘラオモダカをいれてあります。
注意点やご意見ご指導がございましたら、是非とも頂きたくお願い致します。よろしくお願いします。敬敬
コメントありがとうございます。
私も正直、シマゲンゴロウの産卵スイッチはよくわかりません。
鹿児島ですとほかの地域より早いと思いますが、一般には餌となるオタマジャクシの消長にあわせて産卵するはずです。