オウサマゲンゴロウモドキを見に猪苗代の「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」へ日帰り旅行しました。オウサマゲンゴロウモドキの写真も出回っていますが、華やかな発色は生で見るのが一番です。ゲンゴロウの世界最大種は、大きさだけでなく見栄えも「王様」でした!写真と動画あり。
オウサマゲンゴロウモドキ(Dytiscus latissimus)の生体展示は、福島県アクアマリンいなわしろカワセミ水族館、石川県ふれあい昆虫館、北杜市オオムラサキセンターの3館です。2019年11月16日から常設展示が始まり、おそらく来春の繁殖シーズンまでは見られるでしょう。
オウサマゲンゴロウモドキはメスの背中の筋が黄金色に輝く角度があり、世界最大種にふさわしい華やかなゲンゴロウです。動くこと自体少ないのでなかなかシャッターチャンスないのですが、動画のように肉眼なら黄金色に輝く様子を何度も見られます。迷っているみなさん!心の目に焼き付けるには、現地に行くしかないですよ?!
オウサマゲンゴロウモドキは欧州現地でも各種法令で保護される絶滅危惧種で、今回の輸入・展示にもラトビア政府の許可が必要でした。枠組みとしては日本にはオウサマゲンゴロウモドキを、ラトビアには日本の水生昆虫5種を送っています。オウサマゲンゴロウモドキは幼虫がトビケラ食という特徴があり、日本で代用食の開発に成功すれば生息域外保全に貢献できます。
こうした経緯や各種報道は別記事でまとめています。前置きが長い!
石川・福島・山梨!オウサマゲンゴロウモドキ、どの展示館で見るか問題
関東からオウサマゲンゴロウモドキを見に行くなら、どの館が便利でしょうか?
東京から日帰りできるのは、猪苗代と山梨の2館。石川ふれあい昆虫館に行くには東京駅→北陸新幹線で金沢→在来線2本で往復8-9時間かかります。交通費は往復3万円程度と、総合的には泊まりの金沢観光とセットが現実的でしょう。
山梨県の北杜市オオムラサキセンターは、東京駅から往復5時間と現実的な距離にあり、交通費も往復1万円程度で済みます。
最後!今回の猪苗代「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」は磐梯山の麓、猪苗代湖畔にあります(ざっくり)。いわき市の「アクアマリンふくしま」とは離れた別館なので注意。
「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」のアクセスは東京駅から東北・北陸新幹線で郡山乗り換え、猪苗代駅からタクシーです。往復5時間交通費2万円弱でしょうか。お金はかかりますが時間は山梨へ行くのとあまり変わらず、実質新幹線1本と快適です。
#なお長距離バスという選択肢もあります。
10時前に出発して13時ころ「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」に着いて、16時(営業時間は季節による)まで滞在、後は適当に逆ルートを帰る。余裕ですね。
なお「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」には「ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック」著者の平澤 桂さんもいます。
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猪苗代駅から「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」
今年は雪が少ないそうで、駅前から風景もご覧の通り。磐梯山にも雪がありません。数年前滑った「猪苗代リゾートスキー場」は営業できているのでしょうか。以下、ひと月前のことで所々うろ覚えです。
地図では近く見えますが、猪苗代駅から「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」までは徒歩50分弱かかります。タクシー10分2000円(だったか?)が良いでしょう。
「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」現地ではソフトバンク回線が繋がらないので注意。Docomo?ならつながるようです。SNSでシェアする時代、これはなんとかしてほしい所です。ゲストWi-Fi開放するとか。
「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」の料金は大人700円。開館時間は春から冬と冬から春で異なり、春までは16時閉館と早めです。
オウサマゲンゴロウモドキの写真
オウサマゲンゴロウモドキは水生昆虫が多数展示されているフロアの一角に大水槽が据えられています。合計14匹のオウサマゲンゴロウモドキが展示されています。
オウサマゲンゴロウモドキです。体長こそ体長36-44mmとナミゲンゴロウと同格ですが、黄縁の外に鍋の取手のように張り出した部分があり体格的には大きく見えます。
オウサマゲンゴロウモドキは「王様+ゲンゴロウモドキ」でゲンゴロウモドキの仲間。現存しない記録上の世界最大種は「オウサマゲンゴロウ」でこちらは「王様+ゲンゴロウ」で全くの別種。南米のオウサマゲンゴロウは5cm近い巨大種ですが標本以外確認されていません。
オウサマゲンゴロウモドキのメスの背中には多数の筋があり、角度によって黄金に輝きます。ただでさえ動かないので、ちょうどよい角度で止まってくれる機会が少なく撮影は困難。奥にいるのもメス。
メスの背中の黄色い筋は、中央部が強く、個体によって華やかなものと黄金色が入る本数が少ないものの個体差がありました。
両方メスですが上が華やかな個体、下が地味な個体。
普段はこのように物陰に隠れていて、5-10分に一度しか動きません。呼吸で浮上した後は少し泳ぎ回るのでその時が撮影チャンス。
上2枚は良い方で、たいていこのくらい隠れてて動くまで撮影チャンスはありません。
いざ動いてもこういう失敗写真が量産されます。
オウサマゲンゴロウモドキの腹部は赤褐色。また前脚がナミゲンゴロウより長いゲンゴロウモドキ類の特徴が現れています。
お尻の白い物体は交尾栓。交尾栓とは、後続のオスが交尾できないようメスのお尻を塞ぐ物体です。全てのメスが交尾栓付きでした。
背景に人工物があり惜しいですが、ピントが合った良い写真
オウサマゲンゴロウモドキ以外の水生昆虫
カワセミ水族館はゲンゴロウ研究で知られる平澤 桂さんがいるので、ゲンゴロウだけで50種近い展示を行っています。季節により見られない種もいますが、この水槽の数は圧巻です。
オウサマゲンゴロウモドキは低温下で5-10分に一度しか動かないので、その間他の種を見て十分時間を潰せます。
オウサマゲンゴロウモドキと同じゲンゴロウモドキの仲間。メスはこのように背中に筋が現れる。額のv字もゲンゴロウモドキの特徴。
越冬中のエサキアメンボ。陸上の植物に張り付くアメンボは何匹いるでしょうか?
カワセミ館の水生昆虫以外の展示
福島県内にはゲンゴロウの仲間が沢山生息していて、都道府県別では5番目に多い51種類も確認されています。出たなコツブ!ケシ!の微小種ゲンゴロウ軍団。大型ゲンゴロウの「コガタノゲンゴロウ」にコガタノを使ってしまったため微小種はチビ・ツブ・ケシ・マメなど小さいことを強調する和名が乱立しています。(出典忘れましたがどこかの書籍に書いてあるそうです
初めまして、こんばんは
かわせみ館の水生昆虫の水槽群、見てて飽きないです♪
しばらく行ってないのですがカワウソもいるんですね
ゲンゴロウの飼育もしばらくしてないですが
こうして見ていると、また飼いたくなっちゃいます
たけちゃんさん、ありがとうございます。
(以前からコメント欄開放していますが、初めてのコメントです)
カワセミ館の水生昆虫は微細種も多くマニアックですが、それが良い!ですね
日本のナミゲンゴロウも世界最大級ですので改めて見直されるのではと思っています。