水生昆虫ブロガー、セミファイナル判別法発案者の @gengo6com です。こんにちは。
タイトルの「オウサマゲンゴロウモドキ」はゲンゴロウの世界最大種。ゲンゴロウ全般に言えますが、見栄えがする角度になるのは一瞬で、カメラでとらえるのは至難です。いつでもオウサマゲンゴロウモドキを愛でるには、自分でグッズを作るしかない!ということでプロにお願いしてポストカードを作成しました。
I have released a limited edition postcard for Dytiscus latissimus, which is also ex situ conservation in Japan!
オウサマゲンゴロウモドキのポスターカード
こちらがオウサマゲンゴロウモドキのポストカードで、イラストはトガシユウスケさん。
オウサマゲンゴロウモドキの特徴は横に張り出した縁(ふち)ですが、メスでは上翅に筋が入ります。黄縁や筋には個体差あり、一番豪華なパターンで製作しています。
イベント等でお会いした方、個人的に面識ある方、Twitterでやりとりある方などに配布予定です。梱包・発送作業が苦手なので、販売予定はありません。おすすめの方法あれば、教えてください。
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角度による変化などはこちら
水面に反射するレイアウト
まずゲンゴロウをどう配置するか。オウサマゲンゴロウモドキの特徴である背中を大きく描くには?
縦構図で後ろ脚を両方入れると、余白が増えます。片脚あれば後は想像できるわけですから、切り取って身体を大きくしましょう。
また生態的な構図にするため、水面に浮いている所にしました。奥行きの表現に使われているリュウキンカは、国内飼育館で産卵床として使われている抽水植物です。
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透明箔と背中の筋に金箔処理
透明箔と背中の筋に金箔が入っています。良い感じになったのではないでしょうか。筋が凹んでいる部分も、再現されています。これはトガシさんの提案で、金箔を強めに押すことで凹みが作れるそうです。
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冬はなかなか動かないオウサマゲンゴロウモドキ
2019年末から日本でも生体展示が始まったオウサマゲンゴロウモドキ(Dytiscus latissimus)。ヨーロッパに生息するゲンゴロウモドキの仲間で、現存するゲンゴロウのなかで世界最大種となっています。記録上はブラジルにもっと大きい種がいますが、数十年見つかっていないため、“現存する”の保留がついています。
日本では福島県アクアマリンいなわしろカワセミ水族館、石川県ふれあい昆虫館、北杜市オオムラサキセンターの3館で常設展示されていますが、残念ながら私がちゃんと動いている個体を見たのはカワセミ水族館だけなんですね。
オウサマゲンゴロウモドキは冬ほとんど動かなくて、20-30分物陰に隠れて動かないこともザラです。オウサマゲンゴロウモドキの繁殖には冬の低温期間が重要という話があって、水温数度に下げている事情もあります。
ですから、私みたいに冬ばかり行ってしまうと、いる!いるけども動かない!みたいなことになるわけです。コロナが収まったら新成虫が出た頃に行きたいんですけどね。
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イラストをお願いしたトガシユウスケさん
イラストレーターのトガシユウスケさんは、昆虫界隈だとタガメサイダーのイラストで有名でしょうか。ゲンゴロウ類のイラストも多く、アウトプットには安心感があります。
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プロにお願いする場合、こういうものを作りたいですが個人からの依頼でも受け付けていますか?と連絡するわけですが、予算感が違うと気まずいことになります。失礼にならないくらいの予算は持っておきましょう。
既製品と個別オーダーの違いは、自分の好きな種を好きなレイアウトにできること。例えば、私は博物画も好きで @dubhe さんの品を何点か持っていますが、主に欧州で作られていて、ゲンゴロウ(ゲンゴロウモドキ系ではないCybister)や文鳥(先日初めて見ました)とか、個人的にほしい種がなかったりするんですよね。
オウサマゲンゴロウモドキなんかも出来のよい博物画ありますが、複数種のなかの1体扱いなので、単品で描いたものが欲しい所です(多分ない)。話がそれましたが、要するにないなら作るしかないのです。