大型水生昆虫のタガメは、生き餌が基本で餌代がかかります。繁殖も視野に複数飼育するなら、それなりの覚悟が必要です。タガメの餌の選択肢とコストを比較してみましょう。
※タガメは2020年に種の保存法の「特定第ニ種」に指定され、販売目的の捕獲・譲渡が禁止されました。新たに売買で入手することはできませんのでご注意ください。
日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。
タガメの餌の条件


タガメは幼虫も成虫も生き餌を食べます。繁殖を目指すなら数ペア飼うことになるので、餌の確保は重要です。
タガメの成虫は、ドジョウなどの小魚やカエルを餌にしています。一方タガメは農薬に弱く、野生下での減少要因の一つとなっています。
したがって、農薬の心配がない生き餌をどう確保するかがタガメ飼育の鍵です。
タガメの餌の選択肢
身の回りに農薬の心配がない環境がある方は別として、そうでない場合金魚の「小金」やドジョウが選択肢になってきます。
金魚の「小金」を餌とする場合


金魚すくいで使われる小さめの金魚は「小金(こきん)」と呼ばれます。小金は肉食魚用の餌としても流通しています。金魚の産地として知られる大和郡山から通販で購入するのがお手軽です。
通販の場合、毎回送料が1000円以上かかるので、大量に購入する方がお得です。とはいえ、数百匹を数カ月ストックするのは困難なので、複数回購入することになるでしょう。
小金の単価は季節によって変動します。年初の10円くらいからじりじり値上がりし6月前半がピークの20円、その後は子供が生まれる分値下がりして一気に10円程度に下がります。
幼虫の餌としてはメダカも考えられるわけですが、メダカも一匹20円くらいするので、小金のコスパがわかるでしょう。
激安!食用ドジョウ
タガメは野生下ではドジョウを好むとされています。しかも、ドジョウは冷凍と活魚の両方が流通しています。


タガメの餌の量を計算する
ざっくり小金は一匹20円、ドジョウは一匹15円として計算してみます。
成虫が3日で2匹餌を食べるとすると、一ヶ月20匹。タガメのペアなら40匹。産卵時期や冬眠前は食欲旺盛になるので、余裕を見て50匹でしょうか。2ペアなら100匹必要、と。
これには幼虫時代の餌は含んでいない、というのが問題点ですね。小さい頃はメダカで後半から小金やドジョウに移行、というのがリーズナブルでしょうか。