ゲンゴロウの産卵床に適した植物

ナガバオモダカ

ゲンゴロウの繁殖でよく話題になる産卵に使う植物。よく見かけるのは水草のホテイアオイ、抽水植物のオモダカ。ゲンゴロウの産卵に適しているかは植物の維持管理が容易か、多産させられるか?の2点がポイントです。

なお、このページでただ「ゲンゴロウ」と書く場合、ナミゲンゴロウを指しています。小型ゲンゴロウでは水草の表面に産む種もありますし、ゲンゴロウモドキ類のように早春産卵する種もあります。

ゲンゴロウの産卵行動

ナミゲンゴロウの卵

ナミゲンゴロウの卵

交尾の後、ゲンゴロウのメスは注水植物をかじり、細長い卵を一個ずつ産み付けます。茎の中身がスポンジ状の植物を好むようです。繁殖シーズンは気温・水温が上がる5月から7月です。

種によりますが、ナミゲンゴロウの産卵条件は水温25度以上かつ日照13時間以上とされています(「水生昆虫完全飼育・繁殖マニュアル」より)。ただし9時間の人工照明で繁殖している例もあり、日照時間条件は不要という指摘もあります。周りは始まっているのに自分の所だけ産卵しない場合、これらの条件を調整してみましょう。

いずれにしても、ゲンゴロウに産卵させること自体は難しくなく、みなさん試行錯誤しているのはどう多産させるか、あるいはコントロールした時期に産ませるかの方です。

繁殖時期をコントロールしたいのは、一旦幼虫が生まれたら個別飼育で1−2ヶ月張り付きになるので、旅行や家庭生活上産卵開始に数ヶ月幅があるようでは、困るからです。

また、ゲンゴロウを冬眠させるかについては、性成熟のために低温を経た方がよいという意見が多いです。またシャープゲンゴロウモドキでは低温が必要という研究があります。

ゲンゴロウモドキ類は北方系の種でほかが東北〜北海道分布なのに対し、シャープだけ北陸と千葉に分布しています。千葉というのはゲンゴロウモドキ類の南限で、夏の暑い時期を避けて早春に繁殖することで暑い関東に適応していると考えられます。

・卵の発育ゼロ点は4.2度
・水温15度以上で卵発生や幼虫の発育に悪影響
・経験則的に幼虫成虫とも水温30度ほどで死亡
・生殖休眠解除は温度によって2段階ある
千葉県シャープゲンゴロウモドキ回復計画

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ゲンゴロウの産卵セットと適した植物

ゲンゴロウの産卵セット

ゲンゴロウの産卵セット例。撮影にあけていて、脱走防止に蓋します。

ゲンゴロウは飼育中に勝手に産卵することもありますが、繁殖勢では産卵セットを組むのが一般的です。選別した親を使うためと、産卵床となる植物を管理するためです。

産卵セットを作り親を隔離、産卵床として植物を投入後、産卵痕が確認されたら植物を移動、を繰り返します。ゲンゴロウの卵は10日〜約2週間で孵化するのと、放置しすぎると植物がかじられすぎてボロボロになってしまうので、最初の産卵痕から1週間単位で植物を移動し、次の植物を入れます。

ゲンゴロウの産卵痕

ゲンゴロウの産卵痕。ボロボロになると前の卵が食べられたり、次に産む所がなくなってしまう。

ナガバオモダカの産卵痕

ナガバオモダカの産卵痕

ゲンゴロウは自然界では産卵床の植物として雑多な植物を利用していますが、飼育下での繁殖では

  • その植物は繁殖シーズンに間に合う生育をするか?
  • 多少環境が悪くても2-3週間葉が維持できるか?
  • その種類で多産するか?

などがポイントになってきます。

大雑把に言って、植物の世話を最小限にしたいなら入手が容易なホテイアオイ、苦にならない人はオモダカが選択肢になってきます。私は心配性なので両方用意しています。

溶けるオモダカ

注水植物には水中葉と水上葉があり、水上葉を水中に付けていると溶けてしまう。そうなりにくい植物が望ましい。

水草の「ホテイアオイ」

メイン水槽に2個投入しています。産卵用というより甲羅干し用、休憩用、メダカの産卵用です。

ゲンゴロウは盛んに泳ぎ回りますが掴まる所がないと泳ぎ疲れて弱る、という話があります。またカビ防止のためかたまに流木や葉にあがって亀のように甲羅干しをします。

ホテイアオイは当初の目的通り甲羅干しに休憩に役立ってくれていますが、2日に一本くらいで誰かが根っこを食いちぎってしまうんですね。このペースだと根がなくなってしまう!対策としてホテイアオイ12個体制で数週間毎にローテーションしています。

抽水植物の「ナガバオモダカ」

産卵用に譲ってもらったオモダカ。オモダカにも何種類かあって(おそらく)ナガバオモダカ。オモダカの仲間は水田や用水路に生える多年草でランナーで増えます。ナガバオモダカは北アメリカ原産の帰化植物で、丈夫ですぐ増えるので野外に放してはいけません。

ナガバオモダカは冬は水中葉、初夏は水上葉を出し白い花を付けます。産卵床として使うのは水上葉です。一度産卵に使うと葉がボロボロになってそのシーズンは使えません。複数株用意してローテーションします。

ナガバオモダカ

3月上旬のナガバオモダカ

抽水植物の「リュウキンカ」と「エンコウソウ」

リュウキンカとエンコウソウはゲンゴロウが多産するという声があります。茎が太く葉が多いからでしょうか?「ヒメリュウキンカ」というよく似た園芸植物を街中で見かけますが、抽水では育たないので注意。

今年、使うつもりで育てています。春先に黄色のかわいい花を付けます。

リュウキンカ

リュウキンカ

成長を計算して使う抽水植物の「クワイ」

オモダカの仲間で球根を付け食用に改良されたのが「クワイ」です。クワイは年末頃、八百屋やスーパーで出回り、ネットでは一株500円くらい。

クワイは50cm以上と大きくなり、産卵セットに収まらないため、そのままでは使えません。一方ゲンゴロウ繁殖でクワイが便利という方たちもいて、植えてから一ヶ月ちょっとでちょうどいいサイズになるそうです。

中段で述べたように、ゲンゴロウの産卵床として使える植物かは「繁殖シーズンに間に合う生育をするか?」が大事です。産卵時期をコントロールできるゲンゴロウ種では、逆算でクワイを用意すればよい、という訳です。

今年は成長速度を見るためクワイを育ててみるつもりです。

クワイの根塊

クワイの根塊

6 COMMENTS

アバター ヨシヒロ

家でナミゲンゴロウ を飼っている中1の者です。今年から繁殖させるために飼育しているのですが上手くいかず悩んでおります。もしよろしければ繁殖の方法などご教示いただけますでしょうか。
メールにご返信していただけますと幸いです。

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gengo6com gengo6com

繁殖については以下の記事で詳しく説明していますが、何がうまく行っていないか情報不足のため、具体的にお答えできません。産卵しない、ということであれば、水温あるいは照明時間が不足あるいは不安定、産卵床の植物がない、など色々考えられます。

ゲンゴロウ幼虫の飼育 〜交尾から羽化まで繁殖方法〜 https://gengo6.com/2019/11/05-609

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アバター ヨシヒロ

ご返答ありがとうございます。
すいません、僕の説明不足でした。
室内で飼っていてゲンゴロウは、オス、メス、ペアで飼育しています。日照時間は、13時間以上(18時間ぐらい)です。水温は、25度〜30度です。
石や土は入れておりません。
産卵ようにホテイアオイを入れています。
そして、体を干せるように庭で拾った小枝を入れています。
餌は、ペットショップで売っているウーパールーパー用の餌をあげています。最近は、タガメが食べて死んだ金魚をあげています。
たまにホテイアオイをかじっているところやかじられたところを見るのですが、交尾もしません。
僕の家の飼育状況はこのような感じです。
何が悪いのかご教示頂けますでしょうか
よろしくお願いします。

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アバター ヨシヒロ

上の補足で水槽の横の長さは、31.5センチで幅19センチ、高さ24センチです。そこに金魚1匹とメダカ多数、ナミゲンゴロウ 4匹、タニシ2匹入っています。

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gengo6com gengo6com

繁殖環境は、満たしているように思います。仮に屋内飼育であれば、日照時間が安定する屋外に一時期出す方法があります。

一方、交尾していないのは気になる所で、通常ならゲンゴロウは春から交尾繰り返しているはずで、性成熟していないなどが考えられます。

このあたりは人によって言うことが分かれるのですが、冬の間外に出して低温下に置くとよい、という意見もあります。

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アバター ヨシヒロ

ありがとうございます。
一度、屋外飼育をしてみます。
もし無理だったら来年頑張ります。お忙しい中ありがとうございました。

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