私はタガメに興味がない。正確にはタガメは大好きだが、飼育対象としては諦めている。
成虫のタガメを飼えば繁殖したくなる、幼虫が100匹単位で孵化し、生き餌の準備や水換えに追われる。社会人には難しい。
しかし、子どもの頃に飼った思い出として、きれいな標本は持っておきたい……ということで飼育品を譲っていただき、標本にしました。
絶滅危惧種タガメの生態 彼らは何を食べ,どのように暮らしているか(大庭伸也)
※タガメは2020年に種の保存法の「特定第ニ種」に指定され、商業目的の捕獲・売買なとが禁止されました。これには標本も含まれます。新たに売買で入手することはできませんのでご注意ください。
日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。
目次
タガメの標本作成
昆虫を飼育していると、みんな標本作成できるように思われますが、そんなことはありません。鉄道ファンにも乗り鉄と撮り鉄があるようなものですね。
入手したタガメ標本には、脚の角度が揃っていないなど観賞用には問題があり、展足し直す必要がありました。固まった関節を軟化し、虫ピンで固定し、乾燥させます。失敗できないので専門業者にお願いしようかと思いましたが、タガメにはチョウやカミキリのように繊細な翅や触角はないので、初心者ながら自分でやってみます。
まず40-60度の温水に数時間浸し、関節が動くよう軟化させます。写真は軟化作業中。
本格的には展足板を使いますが、発泡スチロールやダンボールでも代用可能。まず色々な写真を見て、タガメ標本のきれいな展足を調べました。
・前脚を開くか閉じるか(開く方が、待ち構えている生体感ある)
・中脚は直角
・中脚を直角にすると、爪先が後脚にかぶってしまう
・後脚は直角にせず、下側に下げる
後はひたすら乾燥待ちです。標本箱についてはこれから考えます。