タガメは10月11月になると水辺から姿を消し、陸上で越冬します。飼育下では湿らせた水苔を敷いたタッパーなどで冬眠させます。タガメの冬眠時期や方法について。
水生昆虫の越冬方法
水辺の水生昆虫の越冬方法は、大きくは陸上越冬か水中越冬に分かれます。陸上越冬の場合、落ち葉の下などに潜って活動停止し、餌も食べません。水中越冬の場合、呼吸のため浮上する関係もあり、完全には冬眠しません。
種で言うとタガメやタイコウチ、コオイムシなどは陸上越冬で、ゲンゴロウは水中越冬です。
ゲンゴロウも大型種は水中越冬ですが、中小型種では陸上越冬するものもいます。これについては、別記事をご覧ください。
タガメが冬眠する理由
昆虫が冬眠するのは低温に弱いから、という理由もありますが、餌がなくなる時期だから、という理由もあります。
水生昆虫の繁殖はメインとなる餌と密接な関係があり、タガメ幼虫はオタマジャクシ、成虫はカエルやドジョウを利用しています。
夏は草をかき分けるたびに飛び出してくるカエルたちも、冬には冬眠して水辺から姿を消しています。
タガメの生態と冬眠時期
タガメは6月下旬をピークに産卵行動を行い、卵で10日幼虫で40日と2ヶ月弱で新成虫が誕生します。つまり、8月下旬から9月には新成虫が出揃います。
タガメの食欲には波があり、繁殖前と新成虫は毎日金魚を食べるほどの食欲を見せます。子孫を残すため、あるいは冬を乗り越えるため彼らも必死なのです。
タガメの産卵条件あるいは冬眠条件は日照時間と水温で産卵スイッチは日照13時間水温25度とされています。
飼育下でこれらの条件を満たすと新成虫でも産卵してしまったりします。
日照が短くなり水温が下がってくると食欲が落ち動きが鈍ってきます。飼育で注意すべきなのはこの食欲をコントロールできない点で、お腹の膨らみが足りない個体でも食欲が落ちてしまいます。
現在冬眠中なので結果を見てみないとわかりませんが、食欲が落ちる前に十分餌を取れていない個体は越冬できないでしょう。したがって、新成虫にはケチらず食べるだけ餌を与えるのが良さそうです。
タガメを冬眠させる方法
食欲が落ちたタガメは10匹近く飼っていても週1-2匹しか餌を食べないようになります。一方で繁殖期のように容器を登ったり暴れたりすることがあります。
この行動の意味はわかりませんが陸へ上がりたがっているのかもしれません。体力消耗が気になる場合は強制的に冬眠させてしまっても良いでしょう。
飼育下では、湿らせた水苔を入れたタッパーや発泡スチロールなどにタガメを入れ、冷暗所で保管場所します。屋外の寒くなる所に置いておけば前脚を折りたたんでじっとする冬眠体制に入ります。冬眠体制に入ったタガメは触っても動かなくなります。
その後は冷暗所あるいは野菜庫に保管し、たまに覗いて霧吹きなどして乾燥し過ぎないようにします。
野菜庫は6度前後で安定しているので、中途半端に暖かい日が来て体力消耗してしまう心配がありません。タガメを冬眠から起こす方法は別記事にしています。
タガメの冬眠に関するFAQ
- タガメはいつ冬眠する?
- タガメは10月11月ころから3月4月ころまで冬眠しています。
- タガメは水中越冬もする?
- タガメは10月11月ころから3月4月ころまで冬眠しています。
- タガメを冬眠させるには?
- 飼育下では落ち葉や水苔を敷き詰めたタッパーや衣装箱などに成虫を入れるだけです。屋外の冷暗所に置けば、自動的に冬眠体制に入ります。