水生昆虫の採集で遠征する場合、個人用地図を作れるGoogle Mapsの機能が便利です。地形から候補地を洗い出し、マイマップにピンを立て、衛星写真やストリートビューで下見し、優先度を付けてルートを作成します。
人によって採集スポットの管理方法は色々あると思いますが、こういうやり方もあるよ、程度に捉えてもらえれば幸いです。
Google Mapsの「マイマップ」機能の使い方
Google Mapsで遠征先の採集スポットを管理するには「マイマップ」という機能を使います。マイマップはGoogle Mapsに自分でピンを置いたり書き込みができる機能を提供していて、URL共有でメンバー間で共有したりできます。
以下、注釈がないスクリーンショットの出典はGoogle Mapsより。
Google Mapsで湿地を洗い出しピンを立てる
水生昆虫がいる場所にはため池とか谷津田とか色々ありますが、現地状況がわからない場合、とりあえず該当エリアの湿地を全部洗い出します。
先日、全国の農業用ため池をマッピングした「全国Q地図」が話題になりました。今回はこれを題材に、Google Mapsで遠征ルートを組み立ててみます。
「全国Q地図」でため池が多い埼玉県比企郡滑川町を見てみましょう。ここに何がいるかは知りませんが、例題として。名称は「沼」でも実際は「池」のようですね。
山と山の間をせき止め、米作り用の水を確保する場所すなわち『谷津沼(やつぬま)』と呼ばれている『ため池』を作りました。特に滑川町内の数は大小あわせて約 200 箇所に上り、関東随一と言われています。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0106/documents/01-45-namegawa.pdf
Google Mapsでもため池は視認できますが、Q地図だと名称やため池の構造など付属情報も得られるのが便利ですね。精査は後にして、とりあえずピンを置いていきます。
ピンのアイコンや、色も変更できます。疲れてくると本命スポットを飛ばしてしまったりするので、星印にしたり区別できるようにします。またエリアによってはトイレや昼食の問題があるので、コンビニも入れておくと良いでしょう。
衛星写真やストリートビューで下見する
こうしてざっくりピンを置いていくと、場所によっては数十個になってとても一日では回れません。Google Mapsの衛星写真やストリートビューで下見して、優先度をつけたり、見込みがない場所は捨てる判断をします。
このため池は立入禁止・フェンス有り・コンクリ護岸なので見込みなしです。こういう情報も大事で、アイコンを✗にするなどします。
別のため池は抽水植物も水草もあり、アプローチもよくアリなのではないでしょうか。
衛星写真やストリートビューは便利ですが、万能ではありません。撮影時期が5年以上前だったり、冬だったりで現状と異なることもよくあります。岸が緑だったり、水面が水草に覆われた領域があれば、見込み有りでしょう。
また、アプローチがないのも問題ですが、良すぎるのもバスが入っている可能性が高くなります。
車の移動ルートを設定する
一通りストリートビューで下見を済ませたら、車の移動ルートを組み立てます。
ルートを組むと自動的にABCDで番号が付くので、地名がわからなくても「次はBに行きましょう!」で済んで楽。
後日、結果をまとめる
ピンにはタイトル・画像・テキスト・アイコン・色などの設定ができます。帰宅したら、忘れないうちにメモを残しておきます。現地で駄目だった場所はアイコンを✗に変えるなどします。
ITを活用して効率的な遠征を
土地勘のない場所で一日がかりで水生昆虫採集をすると、意外と疲れます。一日10箇所くらい回ると、一箇所くらいうっかり飛ばしてしまったりします。それがまた見込みが高いいい湿地だっりして…。
Google Mapsを活用して、漏れなく効率的な遠征を楽しみましょう。以下に、サンプルとして作成したマイマップを置いておきます。