タガメ飼育にまつわる数字FAQ

甲羅干しするタガメ

日本最大の水生昆虫タガメは、その大きさゆえに飼育にあたっては色々な数字がつきまといます。雌雄のサイズ差、産卵条件、卵の数、産卵回数、オスが卵塊を保護する期間、一回の脱皮で大きくなる比率、幼虫期間、餌の量や金額などなど、タガメ飼育にまつわる数字について。

※タガメは2020年に種の保存法の「特定第ニ種」に指定され、販売目的の捕獲・譲渡が禁止されました。新たに売買で入手することはできませんのでご注意ください。個人が趣味で捕獲・飼育することは、規制の対象外です。
※一部記憶で書いているので、違っていたらTwitter等でご指摘ください。

【特集】タガメの飼育方法

日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。

タガメの大きさは?

タガメの体長はオスで5.5cm、メスは6.5cm程度。

タガメは一般に体のサイズも腹部の膨らみもメスの方が大きい違いがあります。カマキリの雌雄の体格差に近いイメージです。

雌雄見比べると体格の違いは明らかですが単体だとわかりづらいことも。オスは6cmを超えることは少ないため、6cm以上ならメスとみなせます。
餌を待ち構えるタガメ

タガメが冬眠する時期は?

タガメは11月から3月ころ冬眠します。

冬眠期間はざっくりですが、タガメは野生下では10月から11月頃に水辺から姿を消し地上などで冬眠します。冬眠中はほぼ動かず、餌も取りません。一部は水中でも越冬します。冬眠するタガメ

タガメの産卵のピークはいつ?

タガメは夏至(6月後半)をピークに産卵行動します。

タガメというと、待ち伏せ型で動かないイメージがあり、実際その通りですが、繁殖期は交尾相手を求め、盛んに移動します。タガメが一般人によく目撃されるのはこの時期で、水銀灯などの街灯に飛来します。数kmとわりと広範囲を移動する観察結果があります。

また、オスは水面を揺らすポンピングでメスを呼び、25mプールの端からメスを呼べたという実験結果があります。産卵中のタガメ

タガメの産卵条件は?

タガメの産卵条件には、水温と日照条件の2つがあり、水温25度以上かつ日照時間13時間以上とされています。

14.5時間と一年で一番日照時間が長いのが夏至ですから、その前後が産卵期間というわけですね。逆に、日照時間が短くなり水温も下がってくると、冬眠に向けて脂肪を蓄えるようになります。

屋内飼育などで産卵条件が維持されると、新成虫でも産卵しますので注意。

タガメは一度に何個卵を産む?

タガメは70個程度卵を産み、オスは卵が孵化するまで10日間ほど卵塊を保護します。

タガメは交尾を繰り返しながら1-2時間かけて50個から90個程度卵の塊=卵塊を作ります。メスが去った後オスは残って保護に入ります。一般に一日中卵塊を保護するイメージがあるかもしれませんが、日に数回登る程度で、普段は柱の根本にいます。

この間、オスは卵塊の保護・給水に専念し、交尾に興味を示しません。メスが卵塊を襲撃することで有名なタガメの習性は、卵塊を諦めたオスと交尾する目的があります。卵塊を保護するタガメ

タガメはシーズン何回卵を産む?

タガメのメスはシーズンに3-4回卵を産みます。産卵後一週間程度でまた産卵可能になり交尾の後、新たな卵塊を産みます。つまり、200から300個の卵に関わることになります。

タガメ飼育においては、オスメス1ペアでは突然死や共食いのリスクがあり、2ペア以上から始めることが多いと思います。そうすると2匹のメスから500個近い卵が産まれる点は、餌の確保や飼育スペースの考慮に入れる必要があるでしょう。

また、オスメス1ペアではオスが卵を保護する期間メスが待機することになってしまうので、オス2メス1くらいの比率の方が、効率的かもしれません。タガメの一斉孵化

タガメは一回の脱皮で何%大きくなる?

タガメは一回の脱皮で45%も大きくなります。

大人になれば日本最大の水生昆虫であるタガメも、幼虫はかよわく、コオイムシやタイコウチなどに捕食される存在です。タガメの幼虫は生まれて数日で脱皮するなど、早く大きくなることに執着していて、一回あたり体長が45%も大きくなります。

コオイムシと異なり、タガメが水上に卵を産むのは体積と表面積の関係から、水中では酸素供給に限界があるためとされていて、また大きいといっても卵のサイズには限界があるため、小さく生まれてどんどん大きくなる戦略を取っているものと推測します。

写真は生まれたばかりの幼虫と卵塊を保護していたオスの体格差。タガメ幼虫と成虫の体格差

タガメは成虫になるまで何回脱皮して何日くらい必要?

タガメは5回の脱皮を繰り返し、40日程度で成虫になります。

昆虫によって脱皮の回数は異なりますが、タガメでは1令から終齢の5令まで脱皮を繰り返したあと、成虫に羽化します。写真は5令幼虫で羽化が近くなると赤くなります。タガメ5令幼虫

タガメを1卵塊育てるのに必要なメダカの数は?

1卵塊を育てるのに、メダカなら数百匹必要になります。

タガメはオタマジャクシだと成長が早いという研究があります。コオロギは積極的には食べないので注意。タガメは農薬に極端に弱いため生き餌の確保には苦労しますが、オタマジャクシを大量に捕獲できる環境なら、一番エサ代かからずに済みます。

飼育下で一般に手に入りやすいのはメダカで、1卵塊あたり数百匹必要になってくるでしょう。1令から3令幼虫まではメダカでよく、4令後半から5令幼虫は小赤や鯉仔が適しています。

タガメの1令はか弱い存在にもかかわらず、自分の2倍近い体長のメダカに果敢に襲いかかります。これはいち早く成長するため、効率よく栄養を取る戦略の一貫でしょう。

なお、タガメは早ければ5月には繁殖可能ですが、小赤は6月後半から安くなる、鯉仔はその頃販売開始される季節性の側面があり、エサ代を考えると6月中旬以降に繁殖させるのが安上がりです。メダカを食べるタガメ幼虫

タガメを育て上げるのに必要なエサ代は?

タガメの餌はメダカでも小赤でも1匹10円以上し、1卵塊育て上げるのに必要なエサ代は5000円程度です。

数百から数千匹単位で卸している業者は別として、一般的な相場的には、メダカであれ小赤であれ送料込みで1匹10円は見る必要があります。つまり、生存率によりますが1卵塊を成虫まで育てるのに5000円はかかってくるイメージです。

数回産卵したり、餌自体が大量死したりするリスクを考えると、タガメの繁殖にはエサ代だけでシーズン数万払う資金力が必要です。
小金とタガメ幼虫

タガメは1卵塊から何匹おとなになる?

繁殖方法は確立されていますが、初めてなら半分成虫にできればすごい方、1卵塊から10匹成虫にできれば十分。全滅事例も聞きます。

大量に餌を食べる分、水質が悪化しやすく、また呼吸不全による大量死も起きがちです。写真は新成虫と脱皮殻。
タガメの新成虫たち

以上、タガメについてよくある質問とその回答を書きました。繁殖させたのは1シーズンなので、サンプルが限られていますが、10卵塊以上産卵していますので、ある程度の経験値はあります。

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