2021年も野生のタガメに会うことができました。2020年は成虫のみでしたが、今回は複数箇所でタガメ幼虫を確認。幼虫がいるということはその場で繁殖している証拠で、より確実な生息地です。コオイムシやクロゲンゴロウ幼虫たちも沢山見てきました。例によって、毎回新しい候補地を探訪しています。
6月はタガメ幼虫が出始める季節
タイムラインでは飼育下のタガメたちが産卵を始め、灯火に飛来した個体もUPされるようになりました。2020年は秋にタガメを見に行ったので成虫だけでしたが、今年は幼虫を見に行くことに。
同じ「タガメを見つけた」にも色々なレベルがあって、たまたま市街地で見つけた、みたいなのはあんまり参考にならない訳です。幼虫がいるということは親もいたわけで、毎回見つかる可能性が高い生息地といえるでしょう。
- 移動してきた成虫を見つけた(再現性なし)
- 複数の成虫を見つけた(ある程度再現性あり)
- 複数の幼虫を見つけた(そこで繁殖している)
いい感じの休耕田たち
タガメに限らず、膝丈以下の浅い水辺の方が、豊富な水生昆虫が見られます。オタマジャクシがもりもりいたり、毎回網にイトトンボのヤゴが入るような水辺なら、期待してOK。イトトンボのヤゴは大型ゲンゴロウ幼虫の餌として生態系を構成しているからです。また、毎回アメリカザリガニが入るような水辺は期待薄なので場所を変えた方が良いでしょう。
ところで、こうした浅い水辺はすぐ陸地化してしまいます。湧水の供給量が多く5-10cmの水深が維持されている休耕田を見つけらればベター。以下は、そうした休耕田の例です。
タガメがいるような、浅い湿地の例。写っているのはトランシーバー。携帯電波も入らないような場所や、声が通らないくらい離れたときの連絡に 便利です。
陸地化した休耕田の例
葦(アシ / ヨシ)が生えているので一応見に行きましたが、完全に陸地化した休耕田の例。
木が生えていますが、ここも元休耕田。戻る道がない!
オタマジャクシを食べる野生のタガメ幼虫
タガメ幼虫が一匹見つかったら、周辺でさらに見つかります。一つのタガメ卵塊からは50-60匹生まれ、幼虫に遊泳力はほとんどないからです。写真は、タガメの2令幼虫。
暴れる気配がしたので覗いた所、オタマジャクシを捕らえたタガメ2令幼虫(別個体)。いやー眼福ですね。飼育下では餌としてメダカを用いますが、野生下ではオタマジャクシを主食としています。この時期、どの水田でもオタマジャクシは豊富に見られました。
慣れれば、水面近くに佇むタガメ幼虫を視認できるようになってきます。
別の休耕田。この写真にはタガメ幼虫が2匹写っています。1令です。卵塊も見たかったのですが、周辺には見当たらず。なかなか難しいものですね。
なお、この日観察したタガメ幼虫はすべてその場でリリースしています。タガメの若齢幼虫は呼吸不全になりやすく、輸送中に全滅するリスクが高いからです。
ドジョウ・クロゲンゴロウ・イモリ・コガムシ卵嚢
タガメがいるような場所は、たいていドジョウがいます。これは、稚魚ですね。
写真は撮り忘れましたが、コオイムシ幼虫はめちゃくちゃいました。慌てて網を登ってきてかわいい。こちらは、クロゲンゴロウ幼虫。1-2令ともかなりの数が見られました。成虫は少なかったので世代交代の時期なのでしょう。
イモリはお腹の模様に個体差があるので、毎回チェック。結構赤いですね。
水田で見かけたコガムシ卵嚢。千巻のように葉をきれいに折りたたんでいます。
タガメを採集したい!という話が来る件
検索結果上位にいるせいか、タガメ採集に連れて行ってほしいという連絡が来るようになりました。基本的に、知り合いあるいはTwitterでやりとりがある方以外に採集地を教えることはありません。作ったばかりのアカウントでほぼ投稿がないような人は、判断材料がなくお答えしようがありません。
メディアやYouTube等、撮影に協力してほしい的な話は、Twitterからご連絡ください。また、教育やイベント関連には、協力していきたいと思います。
生息地の探し方や、候補地の管理方法等は、以下の記事をご覧ください。