イボイモリの摘発事例が話題に!種の保存法の検挙事例はどのくらいある?

種の保存法の検挙事例

2021年ヤフオクに希少種のイボイモリを出品した男性が摘発され話題に。イボイモリは、沖縄県の天然記念物かつ国の希少野生動植物種として保護されています。種の保存法摘発事例は少ない印象ありますが、国の統計を確認した所、数十年前より大幅に増加していることがわかりました。

ヤフオクにイボイモリを出品した男性が摘発された事例

琉球新報の報道によれば、沖縄県警は種の保存法違反容疑で男性を摘発、2021年8月に書類送検しその後不起訴処分にしました。

不起訴処分相当でも摘発・報道されたのは珍しいですが、2021年の出品時にTwitterで保護種だと話題になり、地元紙琉球新報が専門家や県警のコメントを取るなどした経緯があるためでしょう。

希少野生動植物種では、捕獲・販売のための陳列・売買すべて違法ですが、検挙事例では売買が成立した場合が多い印象です。

今回不起訴処分になっているように、取引が成立せず現物がない状況では、証拠が弱いからでしょうか。

ヤフオクで保護種が出品されていた場合、スムーズな摘発につなげる方法

ヤフオクの違法出品がTwitterでバズると、ヤフオクへの通報などで出品が取り下げられる光景。よく見かけます。

ただし、本格的に警察の摘発につなげたい場合は、ヤフオクに通報せず、取引を成立させてしまう方が良いでしょう。相手が勘違いではなく、確信犯ならなおさらです。

なぜかというと、ヤフオクで「違反商品の申告」すると、出品者本人に通報内容が通知されます。出品が取り下げられると、証拠がなくなってしまいます。質問欄でのやり取りについても、同様です。

申告した商品について
申告者の評価が一定以上の場合は申告後に申告した内容が出品者にもメールで通知されます(出品者が通知を受け取る設定にしている場合のみ)。
※申告者のYahoo! JAPAN IDは通知されません。

違反商品を見つけた(申告方法)

警察も空振りしたくないので、本格的に動く前に事件化できるかの判断が入ります。それには何日・何週間かかかるでしょう。「これは違法だ!」「証拠ばっちりだから検挙できる!」という状況を残しておく必要があります。

ですから、環境省にそっと情報提供して取引が成立したら環境省経由で警察に動いてもらう、という流れがスムーズなのです。

ヤフオクに通報する人が出てくるのを避けるため、バズりかけたTweetは一旦削除するのも一案でしょう。

種の保存法の検挙事例は年何件くらいある?

種の保存法違反は毎年報道ありますが、件数は多くない印象です。警察庁の犯罪統計から、実際の件数を見てみましょう。「令和2年(2020)における生活経済事犯の検挙状況等について」に掲載されています。

種の保護法違反の検挙は年100件以上あるということで、意外と多いですね。報道されるのは、新種指定直後とか、悪質な事案に限られているようです。

法律2019年2020年
鳥獣保護法違反197件220件
種の保存法違反115件137件
種の保存法違反は、警察庁統計の環境事犯の動物・鳥獣関係事犯に含まれます。

種の保存法違反は、警察庁統計の環境事犯の動物・鳥獣関係事犯に含まれます。

種の保存法検挙件数(2019-2020年)
種の保存法検挙件数(2019-2020年)

環境省の「希少野生生物の国内流通管理に関する点検会議」の資料に載っている2001年〜2010年までの種の保存法違反の送致件数とは大幅に異なっているのが印象的です。

指定種が増えたのか、ネット売買が増えた影響なのか、そのあたりは情報不足で判断できません。逆に、鳥獣保護法は激減しており、この間に何があったのか狩猟クラスタなどに聞いてみたいところです。

自然関連の法違反による送致件数推移
自然関連の法違反による送致件数推移

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