3ペアいる我が家のナミゲンゴロウは一回も交尾観察できていないのですが、世間ではシーズンを通して盛んに交尾するもの、らしいです。実際、10匹程度いるハイイロゲンゴロウでは毎週のように交尾を確認できています。日中など観察できない時間も多いことを考えれば、毎日のように交尾していると言ってよいかもしれません。今日はコガタノゲンゴロウの交尾を撮影できたので写真と動画で紹介します。
最近増加傾向と話題のコガタノゲンゴロウ
コガタノゲンゴロウはナミゲンゴロウを2.5cm〜3cm弱の小型にしたゲンゴロウ。大きさの他、ナミゲンゴロウの腹部は黄色なのに対し、コガタノゲンゴロウは黒みがかった茶色という点でも見分けられます。ナミゲンゴロウよりは小型だがハイイロゲンゴロウやシマゲンゴロウより大きく、大型ゲンゴロウの仲間という認識。
大型ゲンゴロウは各地で減少していて、コガタノゲンゴロウも県によってはレッドリストの絶滅危惧種に指定されています。ところが近年、コガタノゲンゴロウは東側に生息域を拡大しています。コガタノゲンゴロウの生息域は南方種で南西諸島・中国・四国地方が主ですが近畿・北陸でも採集記録が増えているようです。
コガタノゲンゴロウ:絶滅寸前種の昆虫発見 京都市北部 /京都 – 毎日新聞
温暖化や飛翔傾向の強さなどが考えられますが、ネットで見ている限りでは水深がない場所でも多産するなど、天敵が少ない場所を活用して繁殖し、飛翔で生息域を広げられる基礎を持っているように思います。大庭先生の研究報告→種間比較に基づく大型ゲンゴロウ類の生態の解明と保全
コガタノゲンゴロウの交尾
コガタノゲンゴロウの交尾はメスの背中にオスが乗る形で行われます。別の日に撮影した写真でオスの吸盤がよく写っています。
息継ぎのため浮上した所。オスの力が強いとメスが呼吸できず死んでしまうことがあるという。
背に乗っていれば交尾完了ではなく、タイミングをみてオスがお尻から交尾器を伸ばしてメスのお尻に差し込みます。泳ぎながらだったり動き回るのでなかなか撮影できません。
オスの交尾器がメスに差し込まれている様子がよく写った写真。オスの交尾器を空気が伝ってメスも呼吸できているのだ、という話も見かけるが真偽不明。普通に浮上した方が早いのでは?
ゲンゴロウの交尾に関しては片方が必死に泳いでいたり、水中を暴れるように動き回ったり、仲良くやっているというよりオスが無理やり迫っている感が強い。
コガタノゲンゴロウの交尾動画
珍しくガラス際でいい角度だったのでスマホのマクロで動画撮影。