印旛沼カミツキガメ捕獲ツアーという企画がありまして。主催は「東京でとって食べる生活 @totte_taberu」さんです。昨年は(私が参加予定の回は)雨で流れ、新型コロナで今年も無さそうです。ゴールデンウィークは本来、カミツキガメ捕獲に向いたシーズンなんですけれど、ネタの供養として記事をアップします。
印旛沼に定着してしまった特定外来生物「カミツキガメ」
この記事のアイキャッチ写真のカメは実はカミツキガメじゃなく同じカミツキガメ科のワニガメです。手元にカミツキガメ写真がないので勘弁して下さい。ただし、この個体は全国放送された有名なワニガメです。
2011年10月に渋谷区の高級住宅街松濤の鍋島松濤公園で「池にワニガメのようなものがいて、ほかのカメの頭を食べている」と通報、発見した男性が「岩が動いているのかと思ったぐらい。泳ぎながらスズメも食べていた。」とその迫力を語ったニュースを覚えている方もいるでしょう。この個体は現在、渋谷区ふれあい植物センターで飼育されています。入り口に展示されているので、今春の「博物バザール」で見た方も多いはずです。
…と思ったのですがよく調べた所、2011年に捕まったワニガメではなく、同じ鍋島松濤公園で2014年11月に池をかいぼりした所出てきた個体とのことです。同じ人が放したんじゃないかと思いますけれども。
話がそれましたが、ワニガメやカミツキガメは見た目も迫力ありますが、大きくなって飼いきれなくなり放してしまう人がいるため問題になっています。ワニガメは飼育に許可が必要な「特定動物」、カミツキガメは捕獲・移動・飼育が禁止される「特定外来生物」に指定されています。ワニガメとカミツキガメの違いは、こちらのニュースがよくまとまっています。
カミツキガメの被害と生態
カミツキガメは国内でもいくつかの水系で定着してしまい、特に印旛沼水系では駆除対象となっています。環境庁のカミツキガメ駆除の手引はこちら
カミツキガメ被害の実態(代表的な事例)
カミツキガメは寿命が80年に及び、定着すると被害が長期化する、大型に成長し攻撃的で人的被害が予想されるなどの理由から危険視されています。
(1)生態系に係る被害
大型に成長し、さまざまな生物を捕食するため、定着地域では魚類や両生類等に大きな影響を及ぼすことが考えられる。
(2)人の生命又は身体に係る被害
陸に上げられた個体は攻撃的で、大型個体に咬まれた場合には大怪我が想定される。
(3)農林水産業に係る被害
コイやフナ等の淡水魚を対象とした漁具に掛かり、漁具の破壊、漁獲物を食害する懸念がある。
カミツキガメの生態
カミツキガメは水中での生活に適応していて、アカミミガメのように集団で甲羅干しもしないので、なかなか見つからないのですが、印旛沼水系での産卵期にあたる5月末から6月にかけては周辺の河川、水路にいるため、これを捕獲しよう、という作戦がとられています。
印旛沼水系でのカミツキガメ捕獲対策
千葉県では2007年からカミツキガメは捕獲を開始、年間300頭ペースで捕獲しても減らず、現在推定1万6000頭もいると推定されたことから、カミツキガメ捕獲専門の職員を雇って対策にあたっているほどです。400m四方に24ヶ所のワナ、という規模から本格さが伝わるでしょうか。
「ここ一帯、およそ400m四方がカミツキガメが多数生息する場所です。これから2日前に仕掛けた24ヵ所のワナを確認します」
ワナが仕掛けられているのは田んぼの水路。網の奥にエサのサバの頭をつるし、それを目がけてカミツキガメが入ると、ワナの中には”かえし”がついており、外へ出られず捕獲成功という仕組みだ。
日本唯一の「カミツキガメ」ハンター。狩りの現場に密着!
印旛沼カミツキガメ捕獲ツアー
ようやく本題。「東京とって食べる生活」さんのカミツキガメ捕獲ツアー(2019)のレポートはこちら。
ざっくり昼集合→下見→仕掛けを多数仕掛ける→カミツキガメが行動する夜を待つ→夜間に複数回見回り、餌などを取り替える→朝方、捕獲したカミツキガメを〆て解散という感じです。今年は開催されないと思いますが、来年が楽しみですね!