ヤフオクの絶滅危惧種出品禁止措置について規約を逐次解説していく

ゲンゴロウ

ヤフオクが英断!2022年9末から絶滅危惧種を出品禁止とする規約変更を行いました。ヤフオクの生体流通は年々増加していて、絶滅危惧種の大量出品など、その悪影響が問題視されるようになっていました。規制候補種の駆け込み出品対策など、さまざまなケースに対応するヤフオクの規約変更について、背景や意図を逐次解説します。

ヤフオクの絶滅危惧種出品規制の概要

ヤフオクは2022年8月29日に絶滅危惧種の出品規制に関する規約変更を発表し、2022年9月29日から実施しました。

国のレッドリストに掲載された絶滅危惧種(I類・II類)と準絶滅危惧種を出品禁止とするもので、その対象はオオクワガタやオオムラサキ、淡水魚の多くなど、4000種以上に達します。

その背景には、ヤフオクを代表とするネットオークションで絶滅危惧種の生体取引が年々増えていて、大量出品や駆け込み出品が度々問題視されてきた経緯があります。

2022年には、ネットオークションでの売買が原因で、小型サンショウウオ数十種が特定第二種に指定されました。ネットオークション大手のうち、メルカリは動物生体を扱っていない(植物は扱っている)ので、実質ヤフオク名指しです。

また、絶滅危惧種に対して保護種が少なすぎるとして、2030年までに国内希少野生動植物種として700種指定するという国会附帯決議があり、実際そのペースで指定が行われてきました。

このまま行くと、数年後にはヤフオク原因で保護種入りする種がすぐ100種を超えることが予想される状況だったわけです。今回のヤフオク規制は、そうした事情を勘案したものと考えられます。

国内希少野生動植物種の指定状況
環境省「国内希少野生動植物種の指定状況」

ヤフオクでは今回の改定について特設ページでその趣旨を説明しています。マーカー部分は筆者。

一方で、絶滅の恐れがある生き物の取り扱いについては、さまざまなご意見をいただいており、Yahoo! JAPANでも継続的に協議を重ねてきました。その中で、ヤフオク!での取引が絶滅の恐れのある生き物の種の存続に影響を与える可能性を重く受け止め、レッドリストにおける絶滅危惧種、準絶滅危惧種の対象となる生き物を出品禁止物に追加することとしました。

生き物に関するガイドライン改定と取引時の注意点 – ヤフオク!トピックス

ヤフオクの絶滅危惧種出品規制改正の変更部分を検討していく

ヤフオクの動植物に関するヤフオク!ガイドライン細則の変更部分について、逐次見ていきます。全体に抜け道がないよう、よく考えられています。特に注記ない場合、出典はこちら

保護種指定候補になった時点で出品禁止とする規定を追加

背景:環境省が国内希少野生動植物種の候補種を発表して実際に規制種となるまで、タイムラグが発生していた。従来、この期間は法的規制がないため、駆け込み出品・売買可能だった。場合によっては大量出品や規制間近であることを煽る文言などもあり、問題視されていた。

解決方法:保護種指定候補になった時点で出品禁止とすることで、タイムラグをなくした。また運用を簡単にするため、や趣旨が含まれていない場合も出品禁止とした。

(3)環境省より、種の保存法に基づいて新たに国内希少野生動植物種に追加予定として情報公開された動植物種(当該動植物種の卵や種子を含みます)
【ご注意ください】
・政令が閣議決定され、環境省が情報公開した時点から出品禁止物となります。環境省の公開情報はこちらをご確認ください。

国のレッドリスト掲載の絶滅危惧種または準絶滅危惧種に該当する動植物種を出品禁止とした

背景:サンショウウオ数十種など、ヤフオク売買が原因で保護種入りする種が増えた。また国が保護種を増やす方針で実際に増やしているため、今後もヤフオク原因の保護種が増える可能性が高かった。

仮に出品に一定の基準を設けるにしても、民間業者であるヤフオクが種ごとの出品可否を逐次判断するのは困難だった。

解決方法:国のレッドリストを活用することで、客観的な基準を設けた。従来、レッドリストに掲載されただけでは保護の具体的なアクションにつながらないという批判もあったが、有効な活用例といえる。

また、絶滅危惧種手前の準絶滅危惧種も出品禁止にしたことに注目。絶滅危惧種のみ出品禁止とした場合、準絶滅危惧種に捕獲圧が向かう可能性が高い。そうした場合の「ヤフオクが原因で絶滅危惧種入り」を避ける意図があるのかもしれない。

(5)環境省が定めるレッドリスト(海洋生物レッドリストを含みます)に掲載されている絶滅危惧種または準絶滅危惧種に該当する動植物種(当該動植物種の卵や種子を含みます)
【ご注意ください】
ストア出店者は人工的にされた個体に限り出品が可能です。
【レッドリストとは】
レッドリスト (環境省)
レッドデータブック・レッドリスト(環境省)
環境省絶滅危惧種検索(環境省)

ストア出店者は人工繁殖個体に限り出品可能とした

背景:ヤフオクの絶滅危惧種出品規制は、法律に基づかない自主規制なので、利用者の利便性とのバランスが求められる。

解決方法:匿名性が高いヤフオク個人利用者と異なり、ストア出品者は身元がはっきりしていて、捨て垢や大量出品など悪質なことはしづらい環境にある。多くの種が出品禁止となる淡水魚や、繁殖個体の流通数多いオオクワガタなどを考慮したものと考えられる。

【ご注意ください】
ストア出店者は人工的に繁殖された個体に限り出品が可能です。

また今回の改正に関する特設ページでは、繁殖環境の画像の掲載が条件となり、野生個体の安易な出品にはハードルが設けられた。

・繁殖個体であっても、レッドリストの絶滅危惧種、準絶滅危惧種に該当する場合は出品できませんのでご注意ください。※ヤフオク!ストアに限り、繁殖個体であることに加え、繁殖個体であることを当社が確認できること(繁殖環境の画像を掲載すること)を条件に出品が可能となります。出品を希望される場合は、ヤフオク!ストアとして契約後、出品をお願いします。

生き物に関するガイドライン改定と取引時の注意点 – ヤフオク!トピックス

特定外来生物について、出品禁止である旨明示した

背景:特定外来生物は法的に売買禁止だが、輸入した上海蟹を調理したYouTuberが炎上した事例に関連して、ヤフオクにも出品されていることが話題となった。

解決方法:元々法的に売買禁止だが、ヤフオク規約側でも明示し、注意喚起した。

(6)外来生物法に基づいて指定された特定外来生物(動物に限らず、植物も含みます)
【ご注意ください】
特定外来生物は生きているもの限られ、個体だけでなく、、種子、器官なども含みます。
【関係法令を確認する】
環境省「特定外来生物等一覧」

曖昧な事例ではヤフオク側判断で出品禁止にできる規定を設けた

背景:サンショウウオなど、法的規制種であっても「種はわかりませんが〜」など匂わせて出品する事例があった。(規制種ではないが、匂わせることで値段を釣り上げようとしたのかもしれない。)

解決方法:曖昧な事例では、運営側の取り下げ処置に対し出品者が抗議する展開も考えられる。曖昧な事例では運営判断可能とした。

(8)その他、当社が上記(1)~(7)に該当する可能性があると判断した動植物種(当該動植物種の卵や種子を含みます)
【ご注意ください】
希少野生動植物種、レッドリストに掲載されている動植物種、特定外来生物のいずれも、学名に限らず、学名に相当する和名、通称その他の名称等規制の対象種であることを示唆するものを含みます。

大量出品など違法ではないが炎上しそうな出品を運営判断で取り下げられるようにした

背景:カワシンジュガイ1万匹x9式の9万匹の大量出品など、法律や規約の隙間をぬった炎上案件があった。普通種であっても、大量に捕獲・販売すれば地域個体群にダメージを与えることが考えられる。

解決方法:モラル的に不適切な出品であっても、運営側が取り下げるには根拠が必要であり、一定の基準を設けた。

(9)法令等の規制対象に限らず、社会通念上相当な範囲を超えて入手または出品されており生態系や環境に悪影響を及ぼすおそれがあると当社が判断した動植物種(卵や種子を含みます)
【例】
・出品数量が非常に多いもの(卵塊を含みます)
・特定の地域において希少であるもの
・捕獲方法が不適切であるもの
など

規制逃れのための曖昧出品を禁止する規定を設けた

背景:南西諸島など自治体の条例で採集が禁止されている地域があり、繁殖個体として出品するなどの逃げ道があった。また、種名を曖昧にすることで規制種ではないとする逃げ道があった。

解決方法:種名や採集地を明記しない出品は出品ルールに反するとして取り下げられるようになった。

【出品ルール】
3.動植物およびその器官
(1)種名および入手方法を明記すること(採取・捕獲した動植物を出品する場合には、採取・捕獲した都道府県名も併せて明記してください)

ヤフオクの絶滅危惧種出品禁止措置に関するFAQ

ヤフオク、国のレッドリスト掲載種はすべて出品禁止?
ほぼそうですが、厳密には違います。カテゴリー「準絶滅危惧(NT)」以上がヤフオク出品禁止対象で「情報不足(DD)」は対象外です。
も全種出品禁止?
キタノメダカ、ミナミメダカなど在来種は出品禁止です。改良は規制対象外なので出品可能です。色や形が在来種と紛らわしいものは出品しないほうがよいでしょう。

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