ドライイーストを使ってミジンコを増やす方法を説明します。ミジンコは魚や幼虫の餌に重宝しますが、毎日与えるならミジンコを養殖して増やす必要があります。クロレラや鶏糞を使う増やし方も見かけますが、乾燥した粉状のドライイーストの方が、扱いが楽です。毎年、この方法でミジンコを増やしています。
ミジンコをめちゃくちゃ増やす方法
中小型のゲンゴロウの中には、幼虫時代ミジンコを餌にする種がいます。有名なのはマルガタゲンゴロウやケシゲンゴロウの仲間です。2019年にマルガタゲンゴロウ幼虫を飼育するため、ミジンコを育てていたので、タマミジンコの増やし方を説明します。まずはどんなやり方がメジャーなのかGoogleで「ミジンコ 増やし方」で検索っと。
ミジンコの増やし方はアクアリウム界隈でも需要があって、色々な記事が出ています。曰く、増やしすぎると壊滅する、複数容器で運用せよ、餌はクロレラとかグリーンウォーターとかエビオス錠、イーストである、と。長期間安定して運用するのは難しいようですが、一時的に増やすのは結構簡単です。
私の場合は、午後薄日が当たる窓際に10リットルほどの容器を用意して、ドライイーストで運用しました。イーストは独特の生臭い臭いが出ますが、蓋をすればそれほどではありません。生クロレラやグリーンウォーターはそれ自体の購入や維持が面倒で、乾燥イーストなら買ってくるだけで済みます。
カルキ抜きした水に種となるミジンコたちを入れて、イーストを水が薄く濁る程度に与えます。ミジンコ養殖用のイーストの量は、あまり研究がありません。大量に使う目的では別の安い餌が検討されるためです。イーストは底の方に沈殿し、ミジンコは表層にいるので、アクアリウム用の巨大スポイトでたまに撹拌します。
数日すると、水面でピコピコ動きまわるミジンコが目に見えて増えてきます。適宜スポイトや金魚網などですくって、餌にします。ある程度増えてきたら、全滅に対する保険として、サブの容器を設けると良いでしょう。
2021年も、同様の方法でミジンコを増やしています。
ミジンコを餌にするゲンゴロウ幼虫
ミジンコは田んぼなんかに肉眼でも見えるほど爆産するわけですが、当然水生昆虫やメダカも餌にしています。なかでも、幼虫時代にミジンコ食として知られているのはマルガタゲンゴロウやケシゲンゴロウの仲間です。
ケシゲンゴロウについては、幼虫頭部の特徴的な突起がカイミジンコを効率的に捕食するため機能していることが示され話題となりました。カイミジンコは二枚貝のような殻で防御していますが、逆に言えばこれを攻略すれば競合がいない領域を獲得できます。
90年前から知られ、ゲンゴロウ科の約半数を占めるケシゲンゴロウの仲間でも未知のことがあるんだね、という驚きがありました。
ホシザキグリーン財団の林 成多研究員と長崎大の大庭伸也准教授の研究グループの仕事で、林さんはモノアラガイがガムシから逃避することを鮮やかに示した研究でも知られています。
発見されてから90年以上、どのように使われているのか不明なままだったゲンゴロウの一種・ケシゲンゴロウの幼虫の頭部にある長い突起が、二枚貝のような殻を持つ小さな甲殻類・カイミジンコを効率的に捕食することに使われていることが明らかになりました。
天狗の鼻のような突起を持つゲンゴロウの幼虫が
カイミジンコの捕食に特化していることを論文発表しました
また直近ですが渡部さんの研究でヒメケシゲンゴロウがカイミジンコだけで成虫になることが示されました。マルガタゲンゴロウでは2-3令で別の餌も食べないと小さくなるので、カイミジンコだけで栄養的に十分である、ということには意味があります。
マルガタゲンゴロウやメススジゲンゴロウの仲間は、カイミジンコではなく普通のミジンコを餌に育ちます。マルガタゲンゴロウの1-2令はミジンコ食で、その後別の餌も食べながら成虫になるようです。ミジンコだけ与えていたら3令直後に死亡したため、成虫にはできませんでした。
ミジンコの養殖方法FAQ
- Q:ミジンコは増やせますか?
- ミジンコは開始して週に数倍程度のペースで増やせます!
- Q:ミジンコの餌は?
- クロレラ、グリーンウォーター、イーストなどを与えます。
- Q:ミジンコを増やすときのイーストの量は?
- 水が薄く濁る程度与え、透明になったらまた与えます。
- Q:ミジンコが全滅してしまう!
- 増えたと思ったら全滅することは、よくあります。容器を複数に分けて予備を作りましょう。また、イーストの場合水が痛むので1週間程度でリセットするのも有効です。