タガメの生息地は従来、北海道を除く日本全国とされていましたが、近年では北海道でも生息が確認されているようです。これは、人為的な移入によるものの可能性があるとされています。過去少数生息していたものが絶滅した後、近年改めて確認されています。2020年のタガメTwitter灯火飛来事例にも、北海道のものがあります。
日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。
タガメは従来、北海道には生息していなかった
国のレッドデータブック2020(RDB)ではタガメの分布が「本州・四国・九州・対馬・沖縄本島 ;ロシア・朝鮮半島・中国(台湾を含む)・アッサム」、またタガメ研究で知られる長崎大 大庭先生監修の記事でも、「北海道を除く日本全国」に分布となっているように、従来タガメは北海道にはいないものと認識されていました。
一方、2020年1月発売の「日本の水生昆虫(ネイチャーガイド)」では、「北海道, 本州, 四国, 九州, 対馬, 南西諸島; 朝鮮半島, 中国, 台湾, ロシア極東部, 東南アジア」とされ、北海道が含まれています。この違いは、何でしょうか。
答えから言うと、タガメは近年北海道でも生息が確認されています。2020年に一般の方が目撃するほど、一定数が生息しているようです。北海道作成のレッドデータブック2001でも「北海道、本州、四国、九州に分布する」とされています。
上記Tweetは、北海道在住の方が2020年に高速PAに飛来したタガメを目撃した例。
北海道自然観察協議会資料で「もともと北海道ではタガメは非常にまれな昆虫で、採集記録は過去にわずか 3 例(厚真町、苫小牧市、厚沢部町)しかありません。」でその後に地域絶滅したと考えられますが、1980年前後から採集例が出てその後も継続的に確認されている断絶具合から、人為的な移入ではと推測されています。