水生ワラジムシの「ミズムシ」は、アクアリウムでは「ミズゲジ」などと嫌われますが、ゲンゴロウ幼虫の餌として便利な存在。ミズムシを数千匹にする増やし方とは?
どの「ミズムシ」の話なのか?
単に「ミズムシ」という場合カメムシ目ミズムシ科の水生昆虫を指す場合と、今回取り上げるワラジムシ目ミズムシ科に属する等脚類の2種類います。
等脚類には陸生のダンゴムシやワラジムシ、海岸にいるフナムシ、淡水にいるミズムシなどが含まれます。深海に住むダイオウグソクムシが最大種です。
ダンゴムシやワラジムシは落ち葉などを分解する存在として知られていますが、ミズムシはそれの水中版と考えればよいでしょう。
体長は1cmくらいで大きなオスがメスを抱え込んで保護する様子が観察されます。
ゲンゴロウ餌としての「ミズムシ」
アクアリウムでは「ミズケジ」などと呼ばれその見た目が嫌われるミズムシですが、水生昆虫界隈では生き餌として重宝されます。
ゲンゴロウ幼虫は6-8cmサイズに育てば金魚も捕らえますが、生まれたばかりは2cm程度と小さいのでサイズに応じた生き餌を与える必要があります。
ゲンゴロウ幼虫の餌としては、爬虫類などの餌として流通するコオロギが複数サイズあり便利です。
ゲンゴロウは植物組織内に卵を産むため、いつ幼虫が発生するかは正確にはわかりません。ある日幼虫が発生し、それから連日数匹ずつ生まれていきます。
したがって、初期はミズムシでしのぎつつ、餌用コオロギを発注する、という切り替えが考えられます。
ちなみにタガメの場合卵塊があり、それをオスが保護し10日程度で孵化するので、産卵してからの準備で間に合います。
ミズムシの必要数と増やし方
少し計算するとわかりますが、ミズムシでゲンゴロウ幼虫を育てるには、数千匹必要です。例えば1令幼虫が1日5ミズムシを食べるとしましょう。2令以降はコオロギ餌に移行するものとします。
そうすると、幼虫50匹で一日250匹、ざっくり10日で脱皮するとして2500匹もミズムシが必要という計算になります。これはちょっと野外で回収してくるには多すぎる数です。
そこで、ミズムシを増殖できないか、という発想になるわけですが、扱う人が少なすぎてあまりネットに情報が出ていません。ミズムシは捕食者がいなければ落ち葉や腐食した水草などの有機物を餌に勝手に増えていきますが、どれだけたくさん増やせるかですね。
トロ船に流木放り込んだら数千数万増えてますよ!というアドバイスをもらったので、100匹程度を種に今冬からチャレンジしているところです。結果はまたご報告します。
はじめまして
ミズムシは販売しているでしょうか
水生昆虫の餌として活用する予定です。
もしござましたらよろしくお願いいたします。
増やそうとしている所ですが、残念ながら販売するほどはおりません。たまに、ヤフオクに出品する方がいるようです。
また、ミズムシ自体はありふれた種で、身近に落ち葉が堆積した用水路等があるなら、数はともかく見つけるのはそれほど難しくありません。
その後、ミズムシの増殖はどのような結果になりましたか?
私もミズムシの飼育を始めました。経験を参考にしたいです。
残念ながら、飼育に使えるほど爆産はしませんでした!