ゲンゴロウ幼虫は水辺の獰猛なハンター。ゲンゴロウ幼虫に似ている虫には、ガムシの幼虫がいます。そのほか、水生昆虫の幼虫ではトンボのヤゴ、カゲロウやトビケラの幼虫なども間違われることがあります。 大まかな区別としては、腹部等から鰓(エラ)が出ている幼虫は、ゲンゴロウの仲間ではありません。
ゲンゴロウ幼虫の体型
ゲンゴロウ幼虫に似ている虫の前に、ゲンゴロウ幼虫の体型を確認しましょう。ゲンゴロウ幼虫の体型は、紡錘形(ぼうすいけい)。紡錘形とは、円柱状で両端が補足尖っていく形状です。
ゲンゴロウ幼虫の頭部には一対の大顎があり、胸部からティラノサウルスのように華奢な脚が6本出ています。大きさは種によって様々で、大型種では8cmくらいに達します。よく見られるヒメゲンゴロウやハイイロゲンゴロウ幼虫では14mm〜20mm程度で、成虫と幼虫が混在することもあります。
ヒメゲンゴロウ幼虫など、一部の種ではしっぽの先が2つに分かれます。上下の写真とも、ゲンゴロウ幼虫の腹部はツルツルしていて、突起やエラが出ていないことを覚えておいてください。
ハイイロゲンゴロウ幼虫(左)は、頭部や腹部に点刻模様があることが特徴。成虫と幼虫が混在することも、よくあります。
ゲンゴロウ幼虫とガムシ幼虫の区別
水生昆虫のガムシは、草食性が強い雑食ですが、幼虫時代は肉食です。成虫では4cm弱とナミゲンゴロウ並の体長になる大型種のため、幼虫も7cm程度と巨大で目立ちます。ゲンゴロウ幼虫と比べると頭でっかちで、体にはハリがなくぶよぶよしている点で区別されます。
ゲンゴロウ幼虫に似ている虫
比較的身近に見られて、ゲンゴロウ幼虫に似ていると間違われる虫としては、イトトンボのヤゴなどが挙げられます。イトトンボのヤゴは、ゲンゴロウ幼虫がいる所にもいて、その餌となっています。イトトンボのヤゴが毎回網に入るような場所は、自然環境が豊かでアメリカザリガニなどの影響がないよい環境です。
カワトンボは基本的に渓流や河川にいて、ゲンゴロウ幼虫は止水あるいは流れがゆるやかな場所にいるので、生息環境が異なります。脚が長かったり、しっぽの部分が3本以上に分かれていたら、ゲンゴロウ幼虫ではありません。
カゲロウ・カワゲラ・トビケラの幼虫
石をひっくり返したりすると出てくる川虫には、カゲロウ・カワゲラ・トビケラがいます。私もくわしくありません。
カゲロウ類では、腹部の鰓が常に動いていることで、ゲンゴロウ幼虫と区別できます。カゲロウ類の区別は例えば京都府内のカゲロウページなどに写真が載っています。
カゲロウ幼虫は、お尻の毛が2本に分かれ、だるま落としのように体の節ひとつひとつがはっきりしています。しかしこれはかっこういい写真…
トビケラの幼虫は、小石や落ち葉で筒状の巣を作ります。ゲンゴロウの世界最大種オウサマゲンゴロウモドキは、トビケラ幼虫を餌として好むことが知られています。