ゲンゴロウやタガメなど、水生昆虫はそれぞれの方法で水面の空気を取り入れて呼吸しています。タガメの場合、お尻から伸ばした呼吸管で背中に空気を取り入れます。甲羅干しをしていた個体で背中を撮影してみました。
【特集】タガメの飼育方法
日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。
タガメの呼吸方法
タガメの成虫は、お尻から伸びる呼吸管から空気を取り入れています。この呼吸管は2cm程度出し入れでき、水中のより深い所にとまることを可能にしています。シュノーケリングみたいなものですね。一定時間は水中で活動でき、常時水面に出している必要はありません。写真は産卵中のタガメのメス。
タガメは成虫と幼虫で気門の位置が異なっている
一方タガメの幼虫では呼吸管がなく、お尻から腹側の繊毛に空気を取り入れて呼吸します。写真はタガメの1令幼虫ですが、腹側にためた空気が光っています。
これは4令か5令のタガメ幼虫の腹部。繊毛が生えていて、外側の縁寄りの黒い点が気門です。
そうすると次の疑問は羽化するとき、腹側から背中側にどう切り替えるか。これについては、羽化を観察したものの、よくわかりませんでした。しかしこの写真からは、背中に繊毛があって空気をためていること、翅をロックする機構があることが伺えます。
甲羅干しするタガメの背中が覗いてみた
ゲンゴロウやタガメは、寄生虫やカビなどを避けるため、頻繁に甲羅干しします。タガメの背中は翅と密着していて普段見る機会ありませんが、たまたま隙間が大きな個体がいたので撮影してみました。
すると、タガメの背中には豪快に毛が密集していることを確認できました。