水辺の生物としておなじみのザリガニですが、水生昆虫界隈では害が大きいとして、問題になっています。水生昆虫界隈でフィールドに出ている人であれば、ザリガニがいる場所では水が濁り見つかる種も少ないことを知っています。実際、ザリガニ侵入から数年で水草が消え、希少種がいなくなった事例が何箇所も報告されています。
ザリガニは、その繁殖力もさることながら、水草をちぎる習性を持っていて、この環境改変能力が浅い水辺と豊富な水草を好む多くの種の住処をなくしてしまうのです。
また、ザリガニは根絶できないのも問題です。鯉やバスは池の水を抜く「かいぼり」でほとんど根絶できますが、ザリガニは穴を掘って耐えてしまうため、また増えてしまいます。これを避けるには、捕獲圧をかけつづけ低密度管理するしかありません。
希少種がいて保護活動が行われている湿地なら継続的にそういうことも可能でしょうが、多くの湿地ではザリガニが侵入したらもう終わり、という感じになっているのが現状です。