タガメとタイコウチの違いとは?タガメとタイコウチは、とれたら嬉しい大型の水生昆虫。両方とも水中に住むカメムシの仲間で、小昆虫や小魚を捕らえて餌にしています。タガメは最大で6cmを超える日本最大の水生昆虫。タイコウチはそれより小さく、板状の体に長い呼吸管を持っています。
日本最大の水生昆虫タガメ。タガメの飼育方法や餌、交尾から繁殖、幼虫の育て方まで、タガメの飼育・繁殖方法についてはこちらの特集もご覧ください。
タイコウチとタガメの違いと見分け方
タイコウチもタガメも全国的に減少していて、見たことがある人が減っているため、コオイムシやタイコウチはよくタガメと間違えられます。写真は野生のタガメとタイコウチですが、体格はタガメの方が圧倒的に大きく、一度両種を見たことがあれば見間違えることはありません。
タガメとタイコウチの違いとしては体格に加え長い呼吸管の有無があり、長い呼吸管がある方がタイコウチです。また、長い呼吸管がある水生昆虫にはミズカマキリもいますが、体型は棒状で、扁平なタイコウチとは見分けやすいでしょう。
次の写真は国立博物館の標本ですが、005はタガメ、006はコオイムシ、007はタイコウチ。厳密には005はタイワンタガメ、006はオオコオイムシですが、大まかな違いを把握するには十分です。
タガメ・コオイムシ・タイコウチはいずれもカメムシ目の仲間。鉤爪のある鎌状の前脚を持ち、水中で小昆虫から小魚などを捕らえて食べる肉食の水生昆虫。
タガメは体長6cm以上になる日本最大の水生昆虫。コオイムシは2cm程度なので体格に大きな差があります。タイコウチは、英語でwater scorpionと呼ばれるように、鎌状の前脚に板状の平たい体、長い呼吸管を持ちます。
いずれも流れが緩やかな浅い水辺にいますが、タイコウチはその体型から想像されるように、水底の泥に身を隠して餌を待ち伏せします。コオイムシは比較的数が多く、同じ場所から何匹も見つかることも。
全国的に減少しているタイコウチ
タイコウチは、タガメ同様急速に数を減らしています。農薬や水路のコンクリート化に加え、農家の高齢化や人手不足で耕作放棄地が増え、生息環境が減っています。こうした人の手入れがないと維持できない田んぼや水路などを「二次的自然」と言います。
棒状の体を持つミズカマキリはよく飛翔して移動しますが、タイコウチはあまり飛ばないので、生息地の消滅が個体群の消滅につながりやすいと考えられます。
タイコウチとタガメの違いに関するFAQ
- タイコウチの分類と学名は?
- タイコウチはカメムシ目タイコウチ科タイコウチ属に分類される水生昆虫。学名はLaccotrephes japonensis。
- タガメの分類と学名は?
- タガメはカメムシ目コオイムシ科タガメ亜科に分類される水生昆虫。学名はKirkaldyia deyrolli。
- タガメとタイコウチを見分ける方法
- 画像で検索する方が早いですが、タイコウチは長い呼吸管を持ち、タガメは持ちません。また、タイコウチは英語でwater scorpionと呼ばれるように、鎌がある前脚、扁平な体に長い呼吸管という体型をしています。